股関節が痛い!股関節の痛みの原因と治し方

「股関節が痛い原因と治し方」

■原因となる疾患とその症状

①変形性股関節症

1.一次性変形性股関節症

加齢など、後天的な原因で、関節を保護している軟骨がすり減り、股関節を動かすたびに、骨(凹)と骨(凸)が衝突して、痛みが起こる疾患です。

2.二次性変形性股関節症

女性に多い、先天性股関節脱臼(名前に先天性とありますが、実際には多くの場合、出産時に、股関節が骨盤から脱臼する疾患)が原因で、成長と共に、股関節が変形していくタイプの疾患です。
女性は男性に比べて、股関節のはまりが浅く、緩くなっていて、脱臼しやすいと言われています。その為、股関節が柔らかい乳児の段階では、脱臼したまま、気づかない場合が少なくありません。
ところが成長すると、もう、固まってしまって、手術以外で脱臼を治せなくなる場合が多い為、放置している人が少なくなく、それが原因で、さらに股関節が変形したり、動かす範囲が狭くなり、痛みも伴うようになります。

②関節リウマチ

免疫異常が原因で、身体中の関節に炎症や痛み、しびれなどが起こる疾患ですので、股関節でも症状は起こります。左右対称に症状が出るのが特徴です。

③大腿骨頚部転子部骨折

大腿骨の頸部と呼ばれる部分の骨折が原因で股関節の痛みが出る疾患です。閉経後の女性が、カルシウムが骨から血中に溶け出して、骨がスカスカになる、骨粗しょう症の人などに起きやすい症状です。

④大腿骨骨頭壊死症

股関節の凸側の骨である、大腿骨(太ももの骨)の関節部分が壊死してしまう疾患です。進行性なので、初期のころは軽い痛みしか出ない為、気づきにくい疾患でもあります。多くの場合、リウマチやその他の膠原病などで大量のステロイド剤使用による副作用が原因とされています。

⑤鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)

中学生など、成長期に過剰な運動(特に鼠蹊部、下腹部に強い負担がかかるサッカーなど)をする事で、発症する場合が多い疾患です。

⑥感染症による股関節炎

股関節周辺に傷があったり、尿道から細菌やウィルスなどが侵入するか、元々、基礎疾患に感染症を持っている人が、何らかの原因で細菌やウィルスが股関節内に移動したため起こる感染症です。感染症ですから、免疫力が弱い人がかかりやすくなります。

⑦PMS(月経前症候群)や、初期妊娠症状による股関節の痛み

PMSは生理前、月経をスムーズに行う為に分泌する女性ホルモンの影響で、起こる症状です。よく似た症状に妊娠初期時に起こる、初期妊娠症状もあります。痛み、辛さには個人差がありますので、歩けないほど酷い場合は病院を受診しましょう。

■病院は何科に行けばよいの?

①から⑤は整形外科(リウマチはリウマチ科があればより、専門的です)、⑥の感染症は整形外科でも内科でも処置してくれます。⑦は婦人科を受診してください。

■治し方

病院で診断、治療が済んだ後に家庭で出来る、痛みを和らげる方法などをご紹介します。
これ以上、悪化させないようにする温存法と、積極的に改善する方法とがあります。
患者の年齢、体力、症状によって、選択的に、併用する事が望ましいです。

①温存法

歩行は杖か、スキーのストック(ポール)を使う。
ご自宅のトイレが和式なら洋式へ変更する。
階段に手すりをつける。
テーピング、サポーターなどで患部を固定する。

など、日常生活で、股関節にかかる負担をなるべく減らすように工夫します。
また、腰痛に使うベルト(装具)で骨盤を安定させることでも、痛みが軽減する場合もあります。あとは、湿布などを貼って、痛みと炎症を緩和させます。ただし、温湿布にするのか、冷湿布にするのかは、医師か薬剤師にご相談して決めてください。

②積極的改善法

・運動療法

1.筋力強化で改善

股関節を支える筋肉を強化して、関節の動きを安定させます。ただし、炎症が強い(触ると、熱を持っています)場合など、症状が強い時は禁止です。
グロインペイン症候群のようなスポーツ障害は、アスレティックリハビリテーションの専門家の指導を受けることが理想ですが、どんな症状であっても、徐々に無理なくすることが肝心です。

2.筋肉をしなやかにすることで改善

軽いストレッチやウォーキングなどが有効です。痛みを伴う関節を構成している筋肉は大抵の場合、固くなって、血行が悪い状態になっていますから、筋肉をほぐすことで、血行が良くなり、関節の動きがスムーズになって、同時に痛みも緩和するケースが多いので、症状の改善が期待できます。

・ダイエット(体重のコントロール)

適切な食事制限や運動で、体重を減少させることで、股関節への負荷を減らせます。
ただし、積極的改善法は正しい方法で実行しないと症状を悪化させる場合がありますので、専門家の指導を受けて、実行することをお薦めします。